Bob Dylanのライブ映像、インタビューなどをまとめたドキュメンタリーフィルム「Odds and Ends」の配信が始まっている。Apple TV+などで視聴できる。
初期の20年、つまり60年代から70年代にかけての重要なライブ、インタビューなどをまとめたものらしい。
ただ公開済みの映像などをデジタル化、リマスタリングしたものなので、もしかしたらファンにとっては見たよ、知ってるよというものかもしれないが。
”Odds and Ends” というタイトルは「Basement Tapes」の冒頭の曲から取られているので、全体もたぶん映像版Basement Tapesなのかもしれない。
60年代の映像で一番重要なのはたぶんこれ。1966年5月17日マンチェスターのウhリー・トレード・ホールで撮影されたもの。
エレキを抱えて電気化された演奏をするディランに対してフォークファンが「ユダ!(裏切り者!)」と野次り、それに対してディランは ”お前らは嘘つきだ” とやり返し、バックのホークス(The Band)に ”デカい音でやれ” と言ってから ”Like A Rolling Stone” が始まるシーンである。
「No Direction Home」のエンディングシーン(かつオープニングシーンとループになっている)をイメージフォーラムのスクリーンで初めて観た時は鳥肌モノだった。
まさにロックが始まった瞬間を捉えたものだと思って良い。
自分もいつか新しい音楽やミュージシャンに同じような罵声を浴びせることがないよう、常にオープンマインドで音楽に接しなければと時々見返している映像である。
ちなみにライブ盤は「The “Royal Albert Hall” Concert」というタイトルだが、これは録音場所を間違って表記していた過去のブートレグに合わせたもので、実際の収録場所は前述のようにマンチェスターのフリー・トレード・ホールである。
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