▲さっきの黄色いレーニンのポスターはノートルダム教会の近くの壁にずらっと掲出されていたのだが、そのポスターがどいつもこいつも社会主義的、ソヴィエト的なプロパガンダ絵画ばかりで興味深い。
芸術はアヴァンギャルドとキッチュに向かうという話があり、これらはそのキッチュ路線に行った典型である。こうしたキッチュなプロパガンダ絵画は「社会主義キッチュ」というらしい。ロシア人は「ソヴィエトキッチュ」と自虐的に称することもあるようだ。
ロシア・アヴァンギャルドはその裏表として旧ソ連のプロパガンダポスターがあるのだが、ベトナムのアヴァンギャルドはまだまだ非常に少ない。
このホーチミンおじさんとそれに感謝しているらしい健気な小学生の絵の表情、そのポーズ。いかにもプロパガンダポスターらしいが、それが21世紀の今でも使われていることにある意味びっくり。
こんなの北朝鮮くらいにしか残っていないのかと思っていたが。
顔の造形や色使いから、もしかしたらベトナム人が大嫌いな中国のそれをコピーしてきたのかもしれない。
▲これはどうも文化系、音舞楽曲系のポスター。
ベトナム語がまったくわからないのが悔しい。
▲これはいろんな職業の人のおかげです、みたいなポスターかなと推測。
下段真ん中のお兄さんと上の兵隊さんの顔が同じなので作者が同じなのかもしれない。
▲これもホーチミンを讃えているであろうポスター。
もしかしたら腕を上げる角度もきちんと定められているのかもしれない。
ちなみにシンプルなイラストに対してヒマワリは実写。要するにコラージュ作品である。
▲こちらのカップルの男性の腕の角度もさっきとほぼ同じ。
社会主義国だけに、腕を上げる角度まで法律で決まっているのかもしれない。
(単にイラストを反転させて使い回しているという説もある)
▲これはベトナム共産党の92周年?
ホーチミンと赤色からの推測だがたぶん間違ってないと思う。
(ホーチミンがベトナム共産党の前身組織を立ち上げてかた92周年でした)
▲個人的にはかなりお気に入りの構図。
手前はクレムリンとレーニンの十月革命100周年モノ。
向こうに見えるのは旧南ベトナムの大統領府。
その対比がうまく撮れたなと。
▲その旧南ベトナムの大統領府全景。
この日は修学旅行(?)の生徒・学生たちが列をなしていた。
1975年に北ベトナム軍が戦車でここにやってきて南ベトナム政府が降伏。ベトナム戦争終結の場所である。
アメリカ人観光客が集まる場所でもある。
広告アメリカ人観光客とはいえば、サイゴンの国際空港であるタンソンニャット国際空港の入管にでは毎回数十分単位で並ばされて閉口している。
ASEANの列か日本人が多い列に並べば比較的早く進むように感じるのだが、最初はアメリカ人が多く並んでいる列を選択して大失敗してしまった。
世界中どこでもアメリカ人と日本人は比較的あっさり入管を通過できるという経験則だったのだが、ベトナムだけは違った。
列が進んでから気が付いたのだが、アメリカ人はビザがないと観光であっても入国できない! しかも、ビザやパスポートのチェックも入念で一人ひとりの審査にいちいち時間がかかっている!
まぁ歴史的経緯を考えるとアメリカ人への扱いは当然だが。
世界のほとんどの国と異なり、ベトナムの入管ではアメリカ人が少ない列を選ぶのが良いので憶えておきたい。
広告
コメント