It’s Only Rocl ‘n’ Roll (But I Like It)

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9月9日の開催が正式発表されたアップルのイベント、当初は新型iPodの発表とそれに伴う何らかの音楽関係の発表(それともしかしたらビートルズ関係の何か)と思われてました。
なにせ日付が 09/09/09 なので”Only After 909″かよと。しかも同日にはビートルズのリマスターリイシューも予定されてますから、誰もがビートルズとの関係を連想してたワケですよ。

ところが、プレス等に配布された招待状には、”It’s only rock and roll, but we like it.”というキャッチフレーズが印刷されていたようで…

これはストーンズ1974年のアルバム「It’s Only Rock ‘n’ Roll」に収録されているタイトル曲’It’s Only Rock ‘n’ Roll (But I Like It)” のフレーズそのものなんですね。
で、みんな混乱しているのが現状。
もしかしてビートルズ関係の発表はないのか!?
それとも、もっと大きな何かの発表なのか!?
う〜む、とりあえず9日(日本時間では10日未明)のイベントには目が離せないですね。

ところで、この”It’s only rock and roll, but we like it.”というフレーズ自体も、そもそもストーンズの曲から取られているということもあまり日本では知られていなかったようですね。
まぁ日本では実数10万人と見積もられているコアなストーンズファンでないと分からないかもね、ということで、アルバム「It’s Only Rock ‘n’ Roll」を紹介。

「Beggars Banquet」から始まるストーンズのルースでダーティーなロックンロール路線のたぶん最後の方のアルバム。
ミック・テイラーが在籍した最後のアルバムとしても有名ですね。ミック・テイラーの置き土産は必殺の名曲”Time Waits For No One”。ギターも弾いてますし、作曲のクレジットに自分も入れてくれと後に裁判にもなったりしたほどに貢献度大。

またこの頃のキース・リチャードは「次に死ぬロックミュージシャン」第一位の座を堂々キープしていた時期で、ヘロインでよれよれだった頃。ミック・テイラーもかなりのジャンキー(こっちはコカイン)で、やりすぎて鼻の穴がくっついちゃったとか言われてた頃。
でもそうしたどうしようもないジャンキー連中がこんなセンチメンタルで格調高い曲を書いて演奏してしまうところがストーンズの恐ろしさだと思います。

あとは冒頭からの”If You Can’t Rock Me”, “Ain’t Too Proud To Ben”(テンプテーションズのカバー), “It’s Only Rock ‘n’ Roll” のR&R系三連発が素晴しいし、”Till The Next Goodbye”から”Time Waits For No One”への流れも見事。
B面も景気の良い “Luxury”で幕を開けて、キースのドラッグ事件を題材にした “Fingerprint File” で幕を閉じる格好良さ。

こう書いてみると、70年代後半の「Black and Blue」とか「Some Girls」とかの先駆け的アルバムでもあったんだな。
考えてみると「Goats Head Soap」まではみられたあからさまなブルースからの引用やスワンプ臭は影を潜め、ロックンロール、R&Bに舵を取っているし。
その意味では、”「Exile On Main Street」こそがストーンズの最高傑作である”と信ずるオールドファンとは違って、80年代以降のストーンズから聞いてる人たちでもすんなり聞ける70年代ストーンズのアルバムかもしれません。

ストーンズ関係では「ブライアン・ジョーンズ死亡事件を英警察が再調査する」なんてニュースがあります。
もうとっくに終わったことだし、”ブライアンは失意のうちに飲んだくれてプールで溺れて死んだ”といういかにもブルースミュージシャンらしい終わり方の方が話としては美しいと思うのですが。

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