東南アジアの1980年以降の現代美術のコンピレーション展「サンシャワー:東南アジアの現代美術展」、10月23日までの予定で国立新美術館と森美術館とで2館同時開催されている。
森美術展の方は初日に行って報告済みだが、新美術館の方はなかなかスケジュールが合わず一ヶ月経ってやっと観ることができた。
森美術館の方は1時間半ほどで観ることができたが、新美術館の方は2時間でも足りないくらいであった。
もし1日で新美術館と森美術館をまとめて観ようとするなら、時間的な問題より体力的にどうかという方が問題になるかもしれない。
サンシャワー:東南アジアの現代美術展
夏休みの土曜日だしジャコメッティ展も開催中だし、チケット売り場の行列を覚悟して行ったが拍子抜け。数少ない天気に恵まれた週末なので人は皆アウトドア系に流れたのだろうか。
とはいえ館内には決して少ないとは言えない数の観衆が居た。
森美術館の方と同様、直接的な政治的メッセージをテーマとする作品が多い。
もちろん東南アジアの歴史的、政治的な背景があるのでそれはそれで良いのだが、あまりにどぎつい作品もあり、ソフィスティケートという言葉を知らないのかと若干食傷気味にもなる。
声なき声
しかしもちろん、感動的な作品も数多く、例えばこれはインドネシアのFXハルソノの作品。指のサインはそれぞれアルファベットの文字を表現している。
これはインスタレーションであって、観客は用意された紙を持ち一つ一つの写真の前に置かれたスタンプを順番に押していく。
最初の文字は「D」
順番に押していくと一つの単語が姿を表してくる。
その単語は「DEMOKRASI」。民主主義のことである。
(インドネシア語の表記なので英米英語とはスペルが異なる)
さらに最後の手は縄で縛られ、この民主主義が実はまやかしのものであるかもしれないと思わせる。
もっとも民主主義は自らの手で作れという明示的な表現が既にされているので、最後のピースまでもう一歩という意味かもしれない。
ただインドネシアの作家たち、共産主義者の虐殺など自国の歴史の暗部に触れることは触れるが、最大の恥部である東ティモール問題をスルーしているのはどういうことか。
伝令
カンボジアの作家リー・ダラブーの作品。
この作家はクメール・ルージュ時代に強制収容所に入れられたという経験を持ち、ブルジョワ的という理由で芸術活動が禁止されていたその時代に石鹸に像を刻んでいた。その記憶をもとに再現したもの。
クメール・ルージュに少年伝令兵として使役されていた少年少女たちの写真、強制収容所で労働を美化するプロパガンダを始終流していたスピーカー。
統一マレーシア
リクリット・ティラヴァーニャ
普段は入れない美術館内の特別な場所でタイ料理を食べるイベント、というかそれが作品。
新美術館での開催、残りは
8月17日、8月24日、8月31日の3回。
この日の11時15分にサンシャワー展の出口の場所に展示されているティラヴァーニャの作品(この写真が目印)の前に集合すれば参加できる(希望者多数の場合は抽選)。
夏休みで時間が自由に取れるなら参加してみるのも面白いと思う。
ちなみに、これまで希望者多数で抽選になった日はないようである。



















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