webDICEにMusic Campレーベル主宰 宮田信氏のインタビューが掲載されていた。
なんというか、これまで漠然と感じていた音楽業界に対する不安とか、それで良しとする風潮に対する不安を見事に言い表してて全面的に賛同したい。
iTunes Music Storeに代表されるネット配信がアルバムという表現形態からサージェントペパーズ以前のシングル全盛時代へ揺り戻していることについては
配信があるからCDが売れなくなったといわれていますが、それは単に配信というシステムが壊したというのではなくて、繰り返しますが、音楽の尊さみたいなもの、価値みたいなものを殺いでしまった。
また何故アーティストは音楽を演るのかという根本的な問題に対しても
今は、何のためにこの人は音楽をやっているんだろう、何を言いたいんだろうといった音楽が溢れかえっています。聴き手もそういうことを全く考えなくなってしまった。
とにかくインタビュー全文を読んで欲しいですね。
昔から印刷/出版業界、音楽業界って、洋の東西を問わず、自分たちが文化の一端を担っているんだという強烈な責任感があって、右手ではソロバンをしっかりはじきながら、左手ではその責任を果たすような活動をちゃんとしてましたから。
飯田橋の凸版印刷に行けば、人類の文字文化、印刷文化をこれでもかというほど展示する印刷博物館があります(ここは一度は見学すべし!)。
アメリカのWarnerBrosはヴァン・モリソンの初期アルバムを、どんなに売れなくてもこれまで一度も廃盤にしたことがないし、ライ・クーダーも彼が出て行くまでずっとサポートしてきた。
彼らは売れる売れないで評価すべきでないモノをちゃんと分かって、そうしたものを文化としてサポートしてきた。まさに矜持をもって商売していたものだ。
9月9日にビートルズのデジタル・リマスター発売に関してはアップルが絡んで何か発表するようだが、アップルにも音楽業界のプレイヤーとしての矜持をもってもらいたいものである。
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