WISEデビットカードとは
WISE(ワイズ)という海外送金と多通貨口座のサービスを提供する企業があり、海外からお金を受け取るために利用している。
普通の銀行送金と比べると圧倒的に安い手数料と有利な為替レートが目玉だが、WISEのアカウントがあればそれに紐づいたマルチカレンシーなデビットカードも取得できるので、実際にデビットカードを取得し海外(香港)で利用してみた。
結論から言うとこのデビットカードを使えば日本国内で発行されたクレジットカードを利用したり、日本円を現地通貨に両替して使うよりも数%だがお得、つまり支出を減らすことができた。
このWISEデビットカードの特長をまとめると次の通り。
- Mastercardブランドのカードである
(世界中どこでも使える) - WISEのアカウントと紐づいているので、WISEの口座残高以上の利用はできない
(プリペイドカードと考えると良いかも) - 年会費などは発生しない
- 日本円、米ドル、ユーロ、オーストラリアドル、香港ドル、英ポンドなど世界40以上の通貨に対応
- 支払い通貨と同じ通貨で残高があればそこから支払い、なければ最も有利なレートの通貨から自動両替され支払われる
- Mastercardなのでタッチ決済など普通のMastercardのサービスが利用できる
- デビットカードの発行には1,200円の手数料がかかるが、実は640円で発行できる
それではWISEデビットカードの取得方法や使い方を紹介したい。
スポンサーリンクWISEアカウントの作成
まずデビットカードを取得(発行してもらう)にはWISEのアカウントが必要である。
WISEのアカウントを作成する方法はこの記事を参考にして欲しい。
アカウントが作成できたら日本円の口座に3,000円入金する。入金方法については先の記事で説明しているので参照して欲しい。
WISEデビットカードの発行
▲WISEのアカウントが作成できたらそのホーム画面を開く。
左に「カード」という項目があるのでそれを選択する。
▲最初はカードがないので「新しいカードを注文する」を選択する。
▲するとデジタルカードか実際のカードかを選択する画面になる。
ここではまず デジタルカード を選択する。先に発行手数料無料のデジタルカードを取得し、続いて実際のカードを取得すると2枚目のカード扱いになり発行手数料が640円で済むのである。
先に実際のカードを取得してしまうと手数料が1,200円かかる。
それにデジタルカードも将来必要になることもあるので取得しておいて困ることもないだろう。
▲これがデジタルカードの注文画面。
要するにカード番号だけ発行されるので、例えばちょっと怪しい海外通販での支払いに使うなど使い捨て感覚で利用すれば良いと思う。
デジタルカードは発行手数料無料なのでまずこちらを取得し、次に実際のカードを注文しよう。
注文の仕方は簡単で物理的なカードの発送先住所を英語で入力すれば良い。英語といっても要するに住所と名前をローマ字で書けば良くて、WISEのアカウントを作成するときにプロフィールに記入したものをコピペして問題ない。日本の郵便局は優秀なのでよほどの間違いをしない限り届けてくれる。
WISEのアカウントを作成したときに本人確認やデポジット入金は済ませていると思うので、あとは発送方法を指定すれば完了である。普通郵便(航空便)なら無料で10日ほどで到着するし、急ぎなら有料のDHLを選べばもっと早く手もとに届くだろう。
発行手数料はカードを発行するWISEのアカウントのデポジットから引き落とされる。
WISEデビットカードが届いたら
実際のカードは注文してから10日から2週間ほどで郵送されてくる。
▲このような緑色の封筒に入りシンガポールから郵送されてくる。
見た目がシンプルなのでダイレクトメールと間違えることはないと思う。
▲WISEのデビットカード。
カード番号、名義人名、有効期限、CVVは裏面に記載されている。
到着したらWISEのホームページかアプリを開き、ここに書かれている6桁のアクティベーションコードを入力するとデビットカードが使えるようになる。
▲これはWISEのカードの管理画面。
PIN(4桁の暗証番号)は最初にここで設定する。
カード情報もこの画面で確認できるし、紛失したり盗難に遭った場合は カードを凍結する でカードが利用できないようにすることもできる。
また念のため 決済方法を管理する でカードの決済方法が正しく設定されているかも確認しておこう。
▲WISEデビットカードの決済方法の有効/無効を指定する。
すべて有効にしておくのが無難だと思う。コンタクトレス決済がかなり普及しているが対応端末を持たない店舗ではICチップ決済や磁気ストライプもまだまだ使われているので有効にしておこう。
ATM出金だが、日本の住所で取得したWISEデビットカードは日本発行のカードという扱いになり、日本国内では原則としてATM出金が行えない。
日本発行のWISEデビットカードかATM出金ができるのは次の国々のATM機だけである。
イギリス、イタリア、インドネシア、オーストラリア、カナダ、シンガポール、スペイン、タイ、ドイツ、ニュージーランド、ハンガリー、フランス、ポルトガル、マレーシア、ルーマニア、エストニア
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WISEデビットカードを使ってみる
さて実際にWISEデビットカードを日本と香港で使ってみた訳だが、当然Mastercardブランドのクレジットカードと全く同様に利用できる。
タッチ決済はもちろん磁気ストライプの読み込みも問題ない。
いざというときにATMから出金できないことが唯一のネガティブポイントではないだろうか。
WISEデビットカードの為替レート
カードとしては使い勝手は完全にMasterカードなので、次に為替レートについてみてみよう。
今回は香港への旅行にWISEデビットカードとプレスティア銀行(旧CITI銀行)のVISAデビットカードを持参し、為替レートを比較してみた。
200香港ドル、日本円で4,000円弱のお土産を購入した時。
WISE | プレスティア | |
支払い額(香港ドル) | 200.00 HKD | 200.00 HKD |
円引き落とし額 | 3,803円 | 3,955円 |
両替レート | 19.014円 | 19.776円 |
差額 | 152円 |
同じ商品でもWISEのカードで支払った方が4%弱お得になっていることが分かる。
なおWISEの両替レートは刻々と変化していて決済を行った時点でのレートが適用されるが、プレスティア(と他の多くの銀行)の両替レートは毎日更新される。つまり同日であれば両替レートは変わらないことにも注意したい。
つぎにこの旅行でカード支払いした総額1,893香港ドルを全額WISEで決済した場合、プレスティアで決済した場合を比較してみよう。
WISE | プレスティア | |
支払い額(香港ドル) | 1,893.30 HKD | 1,893.30 HKD |
円引き落とし額 | 35,982円 | 37,481円 |
両替レート | 19.000円 | 19.791円 |
差額 | 1,499円 |
やはりWISEデビットカードで決済した方が4%ほどお得であることが分かる。ただプレスティアの方は少ないながらも利用額に応じたキャッシュバックがあるが、それを加味してもWISEデビットカードの方が有利なのは確かである。
3泊4日の短期間の旅行だったので使った金額も3万5千円ほどだったが、それでも1,500円の違いが出てきている。もっと買い物や観光や飲食に贅沢にお金を使う旅行だったらこの差はもっと開いていただろう。
ただWISEは銀行ではないので口座に100万円以上を残しておくことができない。あまり高額な決済を繰り返すと残高が足りなくなる恐れもあり、一種のプリペイドカードだと考えた方が良いだろう。
またWISEだと香港ではATMから出金ができないので、今回はプレスティアのグローバルパスカードを持参し、香港のCITIバンクのATMで香港ドルを出金するという方法で両替を行った。ここが今のところのWISEデビットカードの弱点かもしれない。
まとめ
ブログなどにMoneytizerの広告を掲載し、その収益をWISEのアカウントで受け取っている人も多いと思う。
ユーロ円の為替相場を見ながら有利なタイミングで日本円に両替するのも良いが、強いユーロのままWISEにプールし海外旅行のお小遣いにするのも良いのではないだろうか。
海外旅行ではすっかり弱くなってしまった日本円から両替したり日本円でクレジット決済するよりも、強いユーロのメリットを活かしデビットカードで決済した方が海外では有利かもしれない。
またWISEデビットカードは日本国内でも問題なく使えるのでMoneytizerの収益をそのままカードの原資として使うのも面倒が少なくて良いだろう。
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