ルー・リードとジョン・ケイルのpre-Velvetsなバンド「The Primitives」と現代アート彫刻家ウォルター・デ・マリア

今年も香川県の直島へ行ってきた。要するにベネッセ・アートサイト直島である。

安藤忠雄設計による地中美術館にはアメリカのミニマリストな彫刻家ウォルター・デ・マリア(Walter De Maria)のインスタレーション作品「タイム/タイムレス/ノー・タイム」が展示されている(これは撮影禁止。というか地中美術館は館内自体が一部を除いて撮影禁止)。


この写真はシーサイドギャラリーに展示されているデ・マリアの「見えて/見えず 知って/知れず」という作品。こちらは近づくことはできないが写真撮影は可能である。

ウオルター・デ・マリアは音楽もやっていたということは知っていたが、それ以上詳しいことは知らなかった。ところが、調べてみるととんでもない音楽的キャリアの人だった。


1964年に発売された「The Primitives」のシングル "The Ostrich" とそのB面の ”Sneaky Pete”。

ボーカルを聴いてすぐに分かると思うがボーカル担当はルー・リードである。曲のクレジットには知らない名前が並んでいるが実際はルー・リードが書いた曲である。

The Primitivesは駆け出しのセッションミュージシャン/ソングライター時代のルー・リードのプロジェクトでこのシングルのバックはスタジオ・ミュージシャンらしい。

1964年のガレージバンド、プロトパンク的な音は今でも刺激的で、同じ時期のポップなビートルズと比べれば差は歴然。ルー・リードがビートルズを馬鹿にするのも納得な音である。

このシングルがちょっと話題になったのでThe Primitivesはライブ活動に迫られ、その時に集めたメンバーが
ジョン・ケイル(ベース)
トニー・コンラッド(ヴァイオリン)
ウォルター・デ・マリア(ドラム)
どれもその後名を成すメンバーである(トニー・コンラッドとデ・マリアは別分野でだが)。

そしてこの4人でライブを行ったらしいのだが、その音源はさすがに残っていない。ジョン・ケイルとトニー・コンラッドはラ・モンテ・ヤングとも一緒にやっているくらいだから、R&Rというより現代音楽に近い演奏をしていた可能性もある。

このThe Primitivesでルー・リードとジョン・ケイルが出合い、その後のヴェルヴェットアンダーグラウンドに繋がる訳だ。

もしかしたらヴェルヴェットアンダーグラウンドのドラマーはアンガス・マクリーズでもモー・タッカーでもなくウオルター・デ・マリアになっていたかもしれない。もっともデ・マリアとウォーホルでは水と油だからヴェルヴェッツ自体がどうなっていたか分からないが。

そのデ・マリアのドラムだが本人のソロアルバム「Drums and Nature」でも聴けるが、ジョン・ハッセルのアルバム「Fourth World Volume Two: Dream Theory in Malaya」でもコンガを叩いている。


この曲はブライアン・イーノとウォルター・デ・マリアのダブルパーカッションというのが凄い。

次に行くときは音楽家としてのデ・マリアの側面が感じられるかどうかもポイントに鑑賞してみたい。