ジム・モリソンが撮り、亡くなる当夜に最後に観たかもしれないフィルムが公開されている。ただ真贋の程は・・

 ドアーズ(The Doors)のジム・モリソンは1971年の7月3日パリで客死しているのだが、その2ヶ月前、1971年の5月にガールフレンドのパメラ・カールソンとフランス南部のコルシカ島(ナポレオンの生地)を旅行で訪れている。

その際にジムが撮影したと言われるスーパー8(いわゆる8mmカメラ)のフィルムが公開されている。


このフィルムの存在は以前から知られていて、もう何年も前から売りに出ていた。また売出し元(古書店)からは販促のためか静止画か小出しに公開されている。

今年になりようやく買い手が付いたらしく、その人物がこうしてフィルムの公開に至ったという訳である。

笑顔をみせて踊るパメラ、思わせぶりな墓石と十字架のクローズアップなど、ジム・モリソンらしさを感じさせる部分もあるが、カメラがぶれたりピントが合っていなかったりで、本当にUCLAの映画学科? と思う部分もある。

少し前にそのUCLA時代に初めて撮った「FIrst Love」というフィルムを紹介したので比べてみて欲しい。

実はこれ、以前から真贋について疑義があるフィルムなのだ。墓碑銘や墓地のゲートの形状などからコルシカ島の墓地であることは間違いないのだが、フィルムリールには ”73-10” と書かれているそうだ。

つまり1973年に当時のパメラのボーイフレンドだったランディが撮ったのではないかという疑惑だ。そうだとすると素人同然のカメラの扱いも納得がいく。ただジム・モリソンとの思い出のあるコルシカ島の墓地に2年後に別のボーイフレンドと訪問するのか? という反論や ”73-10” には別の意味(リールケースに収納した日付とか)があるのではないという反論もあり、議論は決着していないようでもある。

持ち込んだパメラ自身によればジム・モリソンが撮ったことには間違いないし、ジム・モリソンが亡くなる当夜にもこのフィルムを上映機で観ていたそうだ。
(その夜ジムはドアーズのアルバムをずっと聴いていたそうだ。"The End" も含めて)

そのパメラも1974年には27歳で亡くなっているので、今となっては真贋を決定づけるものは何もない。これはもうジム・モリソンが最後に撮り最期の夜に観たフィルムだというおとぎ話として受け入れるのが良いのだろう。

ジム・モリソンとパメラのパリでの様子が映っていると言われるフィルムがもう一本ある。


このフィルムの32秒辺りから。ローラースケートを披露している男性の後ろの方でベンチに座っている2人組(向かって柱の左側)が、ジムとパメラではないかと言われている。

ただフィルムに映るパリの様子や人々の服装スタイルや髪型からして1968年の5月革命以前ではないか、人々が秋冬の服装なので3月に来て7月に亡くなるジムではないという意見もあり、これも真偽不明である。

3月にやっと来たパリが思ったより寒くてやることもなく、無為に時間を過ごすジムの姿だと思いたい気持ちもある。