Grateful Deadのベストパフォーマンス「5/8/77 Cornell」の意外な真実

1965年から1995年までの30年間でグレイトフル・デッド(Grateful Dead)の行ったコンサートの回数は約2,350回。そしてそのうち約2,200回がテーパーと呼ばれるファンによって録音されている。

しかも1回のコンサートを複数のテーパーが録音しているので、残された音源数は途方も無い数になっている。

しかしその膨大なコンサートの中でベストパフォーマンスとして広く知られているのが、1977年8月5日にニューヨーク州のコーネル大学のバートン講堂でのライブ。

1977年はデッドが1年間の休養からツアーを再開した年で、デッドの創造性のピークとも言われていた時期。
そのツアーが始まって数ヶ月経ち演奏もこなれたタイミングでのコーネル大学だったのがベストパフォーマンスと言われる一因。

そしてもう一つの大きな要因がサウンドボード録音されたハイクオリティなテープの存在。それがデッドヘッズの中で広く流通したことでこの日のコンサートが広く知られるようになり、そして結果的に ”ベストパフォーマンスは?” という質問に ”1977年のコーネル大学” と答えるファンが多くなったということらしい。

デッドのギタリストであるボブ・ワイアは雑誌Rolling Stoneのインタビューで

特別なことがあったとは憶えていないな。あのツアーで特筆するようなライブでもなかったね。あのツアーはぜんぶんあんな感じだったから。

と回想している。

バンドのピーク時のツアーを高品質で録音できたのがコーネル大学でのショーであって、パフォーマンス的には本人たちにとっては普通のこと。ただその録音テープの存在によって伝説的なコンサートに祭り上げられていたということのようだ。

神話とか伝説的というのは案外こんなことが真実なのかもしれない。

なお当日のライブはインターネット黎明期からネット上でも公開されていたが、数年前にオフィシャル盤「Cornell 5/8/77」として流通している