レイモン・ドゥパルドンはフランスの報道写真家。
若手バリバリの頃、1964年の東京オリンピックの取材に初来日。
その後もたびたび訪日しては取材を続け、今回は2020年オリンピックを迎える2016年の東京の様子も含め、彼の眼から見た半世紀以上にわたる東京の変遷を伝える写真展になっています。
この写真展は10月1日(日)まで1ヶ月にわたり毎日12:00から夜8時まで開催。
ちなみに入場は無料。写真展には珍しく館内は写真撮影もOKです。
銀座のシャネル。
正直、品の良いお客さんはすっかり足を遠ざけるようになってしまいましたが、そこは気にせず入ったら奥のエレベーターを目指します。
エレベーターを下りるとネクサスホール。
当時の銀座でしょうか?
日産のショールーム? とするとリフトアップされているのはフェアレディでしょうか?
またこのショットだけ見ると、男性も女性もかなり西洋風しかもモダンな60年代で当時の欧米と遜色ないようにも見えます。
代々木の第一体育館。
この原っぱに急遽建てました感がなんとも。
プロパガンダ的映像しか残っていないので分からなかったのですが、現実はこんな感じだったのですね。
都内のどこかを自転車で旅する外国人ツーリスト。自転車ってことはヨーロッパ系の人たちですかね。
さすがに1964年なので走っているクルマは現代に近いものですが、道に線路が埋め込まれているということは都電が走っているんですね。場所はどの辺りなんでしょう?
このような1964年の近代化が進む東京の街並みをヨーロッパ人としての見つめた写真はかなり面白いです。
トップで国立競技場に戻ってきたアベベ。
この後に戻ってきたのは円谷選手だったんですよね。
感極まっているヘーシンクとあくまで居住まいを正す神永。どちらがというよりどちらも愛おしい姿ですね。
オリンピックで重要なのは勝つことではないというクーベルタンの言葉が表示された電光表示板。
コンピューターもない時代にどうやって表示していたのだろう、人力で大変だったんだろうなぁと変なところが気になってしょうがないです。
個人的にかなり衝撃だったのは2016年の東京。
レイモン・ドゥパルドンからみた2016年の東京。
1964年から半世紀、世界でも有数のモダンな都市である東京のはずなのに。
1964年の東京の方がよほど世界と通じようという意思と凛とした姿を見せていたのに、2016年の東京は世界のことなど関係なく自分たちだけの快適さを求めた挙句、世界のどことも違う奇妙な世界を構築してしまった・・・
ヨーロッパの報道写真家だからこそ気づくことができたリアルな東京。
これは見る価値のある写真展ですね。
2017/09/07