話題のストリート・フォトグラファー Vivian Maier の最初の展示会がシカゴで始まった。
つい1年前までは全く無名、というより誰も存在すら知らなかった彼女が一躍注目を浴びるようになったのはJohn Maloofという人の
「Vivian Maier – Her Discovered Work」
というブログから。
実際にブログに掲載されている写真を見てもらうと分かるが、1950年代から90年代にかけてのアメリカの、特にシカゴの人々が主な被写体。
まるで、もう一つのロバート・フランクの「The Americans」のようでもある。
実はVivian Maier については未だ良く分からないことが多く、ヨーロッパからの難民の娘として1926年にニューヨークに生まれ、2009年に亡くなるまで、乳母としての仕事をしながら、ひたすら写真を撮り続けていたようである。
その彼女の作品が知られるようになった経緯は、上記のブログに詳しく書かれているが、要するにオークションで売却された遺品中にあったフィルムを見てみたら、このような作品だったということ。
その数、現像済みフィルムだけで10万枚。未現像のフィルムがさらにまだ3万枚もあるそうである。
ブログにアップされている写真はまだまだ一部で、これからさらに遺された写真が紹介されていくものと思われる。
また同時に、彼女の人生がどのようなものだったのか、何故これほどの写真に情熱を傾けることになったかなども徐々に明らかになっていくのだろう。
全く無名の市井の人が、死後にその作品が発見され芸術として評価される。というと、ヘンリー・ダーガーとその作品「非現実の王国で」が真っ先に思い浮かぶ。
(奇しくも ”Vivian Girls” が登場する)
もしかしたら彼の発見に匹敵するような”事件”かもしれない。
晩年のヴィヴィアン・マイヤーの写真(と思われるもの)
他の写真から乳母(Nanny)もしていたらしいと推測されているようだが、当時のアメリアで乳母(というか家庭教師)という職業に就いていたということは、それなりの教育を受けた知的な女性だったのだろうとも思われる。
実際、上の写真からもそうした様子が窺える。
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