Jailbroken iPhone

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Pinch Media のレポートによると、JailbreakしたiPhoneは全体の7.2%らしい。
(登録ユーザにしかレポートを送って来ないのでソースにリンクできない)

さらに、iPhone 3.0になるとJailbreak自体がより簡単に出来るようになるので、いわゆるカジュアルユーザでもJailbreakするようになり、この比率はさらに高くなると予想している。

これまでJailbreakに関してはなるべく触れないようにしていたが、こんなに多くのユーザがJailbreakしているとは思ってもいなかった。
考えてみれば、そもそも母数(現在のiPhoneユーザ)自体が多くのテッキーを含んでいるので、この程度のパーセンテージは驚くほどのものではないのかもしれないが。

ライフラインでありライフクリティカルなシステムである電話ネットワークに、勝手に改造した無保証の機器を繋ぐこと自体ボクにとっては信じられないが、キャプテン・クランチ以来のハッカーの伝統があり、ソフトウェアを囲い込むことに対する嫌悪感が強い米国ではそれほど悪い事とは考えてないのかもしれない。
クローズドなエコシステムを強いるAppleに対する反感とか判らないでもないし、AT&T/ITT時代の巨大独占企業に対するカウンターとしてのハッカー行為も判らないでもない。

でも、ライフラインを守るためなら死んでもいいと思っているキャリアの技術者たちのことを思うと、軽々しくJailbreakする気にはなれないというのがボクのスタンスである。
むかーし、ある端末を開発している時、端末側のチップとキャリアの機器で使われているチップの相性が悪く、(チップレベルでの)特定の操作をするとチップがハングするという現象に遭遇したことがある。
もしも、その相性問題を見逃したまま製品を出荷しキャリアの通信ネットワークがダウンしたら… もしその最中に救急車を呼ぼうとして電話が繋がらなかったら… もちろん仮定の話ではあるが。
通信ネットワークは人の命に直結するシステムであるから「ライフライン」「ライフクリティカル」といわれ、それを守るために命をかけている人が大勢いる訳である。
もちろんiPhone dev teamでも十分な検証をした上でリリースしているハズだが、それでもOSに手を入れている以上キャリアの通信網に思わぬダメージを与える可能性は否定できないし、悪意を持ったアプリケーションがベースベンドチップを操作して通信網に攻撃をかける可能性だってある。

「AppStoreで売っているのと同等のソフトが無料で手に入るんだよー」なんて気軽な理由でJailbreakして欲しくないとボクが思う理由である。もしJailbreakするならそれだけの信念と覚悟を持って行なって欲しいと思う。ボクにはそんな覚悟はないが。
だいたいアメリカで「Jailbreak」という呼び方をしているのも、それが反権力的行為であるということを念頭においてのことだと思うのだが。

ITT(International Telephone & Telegram。別名International Thief Thief)については911が近づいたら改めて書くつもり。もう一つの911を忘れないように。

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