The Dark Knight

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クリストファー・ノーラン+クリスチャン・ベール版バットマンの新作「The Dark Knight」を観てきた。

平日木曜日(花モクという言葉が懐かしい)のレイト上映だったので六本木といえども観客数は10人。
土日や昼間とは違い非常識な客がいないのがいいね。

ホテル代わりに本気で寝る奴、
映画そっちのけでいちゃいちゃするカップル、
異様に盛り上がってる外人のガキコンビ、
じっくり鑑賞しているシネマニア少女。あ、最後のは妄想だったかも。
まぁとにかくこんなワカってる清く正しい客ばかりのレイトショーで雰囲気も最高だった。

で、映画の方も期待に違わぬ出来映え。

闇と光、善と悪、コインの表裏でもあるバットマンとジョーカーに今回はその二面を持つキャラクターをうまく絡ませたところが勝因。
この辺りのキャラクタ設定、映像的隠喩、レトリックなど変に難解にせず、ハリウッドらしく分かり易い難しさにとどめているところがうまいなぁ。
ピンク・フロイドの「狂気」もそうだけど、それ以上やっちゃうと訳が判らなくなる一歩手前で踏みとどまって、メッセージを分かり易く伝えるのも重要な才能だもんね。

故ヒース・レジャー演ずるジョーカーもジャック版と並ぶ程のキレっぷり。これは確かにみなが絶賛するだけのことはある。
ただここまでやったのなら、もっともっと無慈悲にアナーキーなジョーカーを観たかったね。
それと(これは全作に共通するけど)、ジョーカーがジョーカーになった由来をいちいち説明する必要はないと思うよ。なぜか分からぬが無慈悲でアナーキーで残酷な悪の象徴としてのジョーカーでいいじゃないかと思うんだよ。

まっとにかくダークな大人の寓話としてのバットマンシリーズ、この路線でもっともっと続けて欲しいですね。マイケル・ケインが生きている限りは。

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