国のない男

今年2007年の4月に82歳で亡くなったカート・ヴォネットの遺作A Man Without A Countryの邦訳「国のない男」を今頃購入。

ヴォネガットが遺作であると意識して書いたエッセイ集。
日本では多くの作品を朝倉久志氏の訳で読んでいたので、若干文体などに違和感を感じるかもしれないけど、中身はいつもながらの、いやこれが最後と意識してかより本音を吐露するかのようなヴォネガット節。

往年のヴォネガットの諸作は絶望的な状況の中でも希望を見いだしたり、どうしようもない人間の業でさえも許してしまったり、とことん人間を信じることがテーマだったのですが、このエッセイでは時として2005年のブッシュ政権下のアメリカ、人類の将来に絶望を感じさせるような言及もあり、アメリカはそこまで病んでしまったのかと憂慮してしまいますね。

例えば
われわれは地球の資源を、空気や水も含め、浪費してきた。それも、明日がないかのように。そしていま、明日はなくなってしまった。
というわけで、ばか騒ぎは続く。が、そう長くは続かない。
ここまでダイレクトな言い方は以前はしなかった思います。

あとブッシュ政権についはとにかく辛辣。奪われた選挙、クーデターとまで言い切ってます。ま、実際米国人の50%、全人類の90%くらいはそう思っているんですけど。
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