早速プレビュー版をダウンロードし試用してみました。
うーむ、これは旗艦ソフトであるファイルメーカーProのエントリーバージョンという位置付けではないです。
もちろんDBMSとしてはその資産を引き継いでいるのでしょうけど、方向性もターゲットユーザもまるで別物。それが証拠にファイルメーカーProのデータのインポートすらできない(笑
まぁこれは単に実装が間に合わなかっただけで、製品版までには対応されると思いますけど。
出荷目標は来年の1月。価格は・・・えっと、不明です。1万円は切ってくるのではないでしょうか、適当な発言ですけど。
ちなみにリリースに書かれた機能と特徴は以下のとおり
Bento ユーザは、連絡先情報、カレンダー、写真および各種ファイルを整理整頓でき、以下だけでなく、その他のさまざまな目的や用途にも簡単に活用していただけます。
- 連絡先の詳細情報を大量に管理
- イベント、パーティー、募金活動などのコーディネート
- プロジェクト,担当業務、締め切りのトラッキング
- 関連情報の結びつけ
- やるべきことの優先順位の管理
- 在庫目録、寄付目録、商品カタログの作成
- 就業時間や給与支払いの記録
- サービスのプロバイダや売り手のランク付け
- 音楽、映画、各種メディアのライブラリ作成
- プロジェクト/イベント関連のファイルや写真の保管
で、たかがパーソナルデータベースの新ソフトに何を騒いでいるかというと、その名称が「BENTO」だから。
これはApple提唱のファイルフォーマットでOpenDocの基盤をなす技術だったのですよ。なんでBENTOかというと、まるで幕の内弁当のようになんでもかんでも好きなオブジェクトを放り込めるから。
Microsoft Officeみたいなアーキテクチャのソフトだと特定のファイルと特定のアプリが紐づいて、このファイルを編集するにはこのアプリが必要・・・という世界なんですが、OpenDocが目指したのはドキュメントオリエンテッドな世界。
BENTOフォーマットのファイル中のこのオブジェクトは、こういうコンポーネントで閲覧/編集しましょう、でもユーザが好きなコンポーネントを選んでねという世界。
そうだよなぁ、OpenDocの消滅から10年。まさかこちらの世界でBENTOという名称が復活するとは。
まぁFileMakerという会社は前身はクラリスだし、アップルの子会社なんだかISVなんだかよく分からない会社ですが(笑、でもその歴史的経緯からしてBENTOやOpenDocやCyberDogといった技術に関った人たちがいっぱい居そうな気がします。
あの頃、ボクたちが目指した世界。
・コンポーネントのプラットフォームはWebブラウザ(CyberDogみたいなもん)
・データはBENTO、コンポーネントはObjective C++。どっちもネットワークで流通させる
・ネットワークはTCP/IP、ホーム内はIEEE1394でダイレクト接続
・動画はメタデータで記述、デバイス側でリアルタイムにレンダリングしてVRを実現
あれからもう10年以上も過ぎてしまった・・・
2007/11/16