レオス・カラックスも参加したSparksの新作「Hippopotamus」

Sparksが単独名義では9年ぶりの新作「Hippopotamus (ヒポポタマス)」をリリースしたが、50年近い歴史と何十枚か数えるのも面倒くさいアルバムの中でもかなり出来の良いアルバムだと思う。

基本的なサウンドは最近のスパークスなのだが、曲作りや生音の使い方など70年代に戻ったかのように聞える時もあり、要するにイギリス時代のあの感じなわけで、昔から聴き続けていた者にとっては懐かしくも嬉しいサウンドである。

例えば2曲目の "Missionary Position" から 4曲目の "Scandinavian Design" の大袈裟でキッチュな感じなんか「Propaganda」や「Indiscreet」に入っていてもおかしくない曲である。





そして、Sparksが単なるポップなロックバンドでない証、長年に渡って(英米で)コアなファンを獲得できてきた理由でもある、しれっと真剣に切実なメッセージを歌ってくれる部分もしっかり残っている。

例えば数日前にロンドンのラフ・トレードで行なわれたインハウスライブ。この曲のラッセル・メイルが歌う姿や真剣な表情などから、なぜ彼が歌い演奏を続けているのかが伝わって来て現場にいたら泣きそうになったと思う。



70年代イギリス時代のスパークスのライブは客席前方では若い女の子たちがラッセル・メイルに嬌声をあげているその席の後方でシリアスな大人のファンが苦虫を潰すような顔をして観ている。と言われたものだが、40年たっても後方に大人のファンがいるのは変わらないようだ。ただ前方にいるのも大人のファンだが。




アルバムと一緒にリリースされているオフィシャルビデオの一本。
印象的な人形アニメはイギリスのJoseph Wallaceの手になるもの。
この人はこれから注目を浴びるようになるのではないか。

舞台がパリでテーマがエディット・ピアフだからという訳ではないが、フランスの映画監督レオス・カラックスが参加している曲もある。



"When You're A French Director" というそのまんまなタイトルで、レオス・カラックスがボーカルとアコーディオンを担当している。
たぶん、彼が歌い演奏する正式な音源としてはこれが初めてかと思う。

そういえば、以前にも書いたかよく覚えていないが、Sparksの「Kimono My House」のジャケットの右側の女性、れっきとした日本人でミッチ広田こと廣田三知(みち)さん。
ボウイの「Scary Monsters」冒頭の "It's No Game(part 1)" で ”シルエットや影が革命を見ている。もう天国の自由の階段はない・・・” というナレーションを担当した人でもある。




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