日本画家の畠中光亨(はたなか こうきょう)氏が収集した、主に18世紀、19世紀にインドの各地で製作された染織品の展覧会である。
非常にニッチな展覧会ではあるが、イギリスによるインド支配の歴史とか英国産業革命との関わりとか知っていると逆の面で面白い展覧会だ。
これは天蓋布。 この展覧会のポスターなどに使われている作品。
これをもとに畠中光亨氏がデザインしたのだという。
インドと言うとターバンがまず思い浮かぶように、ターバンの収集量も多い。
実はターバンを巻くのはシート教徒でインド人の一部。ただシリコンバレーなどにはシーク教徒が多く、実際にターバンを巻いた人と会う機会はあるのだが、あまりじろじろ見るのも失礼かと思い(というかポリティカル・コレクトネス的に良いのか分からなかった)、じっくり見る機会はなかった。
こうしてみると、薄く長い布が使われていることなどがよく分かる。
このように館内地下1階ではターバンの展示を中心に、周囲の多様な染織品を展示されている。 2階の展示室ではもっと多様な手法による染織品が展示されている。
松濤美術館はその美術館そのものの建築も見学対象の一つ。 設計は白井晟一。都内であれば飯倉のノアビルの設計者と説明すれば判りやすい。
中庭は池と噴水になっていて、その上を渡り廊下が走っている。
ゴチック風味漂わす階段。
アーチとシンメトリーが多用されているが、これはノアビルにも通じるものがある。 建築言語でのアーチとシンメトリーは、”道を外れず正しい道をまっすぐ歩め” 最晩年の白井晟一の最後のメッセージであろうか。