Shelby LynneとAllison Moorerの姉妹初デュエット作

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シェルビー・リンとアリソン・ムーアの姉妹による初めてのデュエットアルバム「Not Dark Yet」がとても良い。
これまでカントリーとしてもブルー・アイド・ソウルとしても十分良質な音楽を創ってきたシェルビーだが、このアルバムでアメリカン・ミュージックとして一つの殻を破ったように思える。

この姉妹、以前からライブで共演することはあったようだが活動の場が西海岸と東海岸、また音楽的にもちょっと隔たったところがあり、なかなかアルバム制作には至らなかったようだ。

しかし今回はカバーアルバムということで、お互いのキャリアや音楽的志向をうまくすり合わせることができたのかもしれない。


カバーアルバム「Not Dark Yet」の収録曲は次の通り

My List (The Killers)
Every Time You Leave (Louvin Brothers)
Not Dark Yet (Bob Dylan)
I’m Looking for Blue Eyes (Jessi Colter)
Lungs (Townes Van Zandt)
The Color of a Cloud Day (Jason Isbell/Amanda Shires)
Silver Wings (Merl Haggard)
Into My Arms (Nick Cave)
Lithium (Nirvana)
Is It Too Much (S.Lynne/A.Moorer)

日本ではどのくらい知られた話か分からないが、この2人がまだ10代だった31年前、彼女たちの目の前で父親が母親を射殺し自分も自殺を遂げるという事件があった。

この事件の重さは良くも悪くもシェルビーの音楽活動に影響している。

ジョン・レノンのトリビュートコンサートで「マザー」を歌うシェルビー・リン。

自身のソロアルバムで既にカバーしているとはいえ “Mama don’t go… Daddy come home” とは下手をすればシャレにならないが、でも彼女以外に誰が歌えるというくらい鬼気迫る「マザー」である。

「Not Dark Yet」のタイトル曲。これはディランのカバーである。

アルバムの最後は彼女たちの共作である “Is It Too Much” で幕を閉じるが、このデュエットをきっかけに様々なトラウマからも解放されたようだし、これからも2人で良質のアメリカン・ミュージックを創り続けていって欲しいと思う。

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