RIP Captain Beefheart


12月18日、用事があったので早起きし、いつものように軽くTwitterのTLを眺めていると、Captain BeefheartことDon Van Vliet(ドン・ファン・ヴリート)氏が亡くなったというNYタイムズの速報が目に入った。

その日はクルマを運転しながらも、用事をこなしながらも頭の中はビーフハートのことでいっぱい。
夜遅く、家に帰ってからも何も手に付かず、自伝「ルナー・ノート」を読み、Magic Band時代、ソロ時代のアルバムを聴き、そのまま週末を過ごしてしまった。

1941年1月15日生まれ、12月17日に長年患わっていたという多発性硬化症のため69歳で亡くなったキャプテン・ビーフハートことDon Van Vliet。

ボクが最初にビーフハートを聴いた(聞かされたw)のは中学生の頃(たぶんClear Spot)だけど、さすがに判らなかった(笑
まだ山下洋輔やセシル・テイラーといったフリージャズの方が分かりやすかった。
高校生の頃に聴いたZappaと組んでの「Bongo Fury」でもマザースの超絶演奏に気を取られビーフハートのことはそれほど気にもかけず。

やはり70年代末のニュー・ウェイヴ、例えばPop GourpとかPere Ubuといった音が出てきたのがポイントだった。その流れでビーフハートを聴き直して再発見した時からビーフハートにハマってしまった。

結局あのブルースのコアの部分だけを取り出したような声と歌い方。
ビーフハート独自の美意識で構築された音。
それが気にいるかどうかなんだろう。

きっとビーフハートの頭の中では(ビーフハート流の)美しい音がなっていて、でもそれが世間一般の美意識とあまりにかけ離れていたのかもしれない。
聴く方もあの音に身を委ねてしまえば、あんなに美しい音楽もないと思うのだけど。

音楽には飽きてしまったのか、音楽ビジネスと折り合いを付けるのに疲れてしまったのか、数々のエピソードを残しながら1982年の「Ice Cream for Crow」を最後に音楽を実質的に引退。残りの人生を絵画の世界で、それなりの成功を収め、レスペクトを受け、たぶん幸福に過ごしていたと思いたい。

音楽業界から身を退いてからの30年近く、ボクも含めたファンの多くは、いつか何かの気まぐれで、音楽作品を発表してくれるかも、という僅かな期待を持ちながら待っていたけどそれも叶わぬまま亡くなってしまった。

この間、多くの過去のライブやレア作品やブートレグが発表され正直なところ内容も玉石混淆だったが、たぶん殆どのファンはあの音が聴けるならと片っぱしから買っては聴いていたと思う。
それだけいつまでもファンを走りまわらせ、常に新しい聴き手を獲得し続けてきたビーフハート。

ザッパが56歳(ボクもあと数年だ!)という若さで世を去って17年、そして先週ビーフハートが亡くなり、ロックというより20世紀のポピュラー音楽の最後の巨匠が亡くなったという喪失感でいっぱいである。

最後に、彼の死を伝えるメディアのリストを。
あ、ミュージシャンでライターでもある和久井光司氏がザッパ本を執筆中で、その中でかなりビーフハート関連の記載(ディスコグラフィー含む)があるらしい。
来年中には出るらしいので、そちらもチェックされたい。


Many Thanks and Rest in Peace, Don Van Vliet.

[Rolling Stone]
Captain Beefheart Dead at Age 69

The Odyssey of Captain Beefheart: Rolling Stone's 1970 Cover Story

Ten Essential Captain Beefheart Songs


[Pitchfork]
R.I.P. Captain Beefheart

Appreciation: Captain Beefheart


[WSJ]
O Captain! My Captain Beefheart: An Appreciation
盟友ゲイリー・ルーカスによる追悼記事

[NPR]
Captain Beefheart: A Rock Critic Fable


[BBC]
Don Van Vliet, aka 'Captain Beefheart', dies aged 69


[NME]
Captain Beefheart dies aged 69


[MOJO]
13 Reasons Why We Love Captain Beefheart
究極のビデオ 13選


[The Captain Beefheart Radar Station]
ファンサイト
http://www.beefheart.com/index.html



Magic Bandのギタリスト Zoot Horn Rollo(ズート・ホーン・ロロ)によるビーフハートの伝記。

特に「Trout Mask Replica」制作時のあれこれ。

興味がない人には全然つまらないかもしれないけど、当時ビーフハートの自宅(ここで録音)が何が行われていたか、それこそ興味は尽きない。









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