Bad Company live Tokyo, Oct.26, 2010

2010年10月26日... 一生忘れられないライブを体験したような気がします。

再結成バッド・カンパニーの2010年日本ツアー最終日、場所は東京国際フォーラム ホールA。
Free〜Bad Companyはロックを聴き始めた少年時代から思い入れのあるバンド。もっともFreeをリアルタイムに聴いたのは「Heartbreaker」以降なんですが、その後のBad Company、Andy Fraser Band、Back Street Crawlerなんかもずっと聴き続け、ボクの中ではロックというものの一種のリファレンスになってます。


ただFreeの時は子供だったし、たった1回の1975年の来日公演も行けなかったので、自分が生きているうちに1回はポール・ロジャースを生で体験したいとずっと思っていました。
ポール・ロジャース自身はここ十数年で3回、来日ツアーしているんですが、ソロやフェスには都合がつけず、ポール・ロジャース&クイーンの時はバックバンドが嫌いという理由で行かなかったんですよ。

そこで今回の日本ツアー、行くなら最終日と決め、ずっとそれに合わせて予定を立てていたのですが、ある方からバックステージへのお誘いをいただきました。
生でバドカンを体験できるだけでなく、もしかしたらポール・ロジャースとサイモン・カークとミック・ラルフスにも会える! もう3日くらい前から舞い上がっていました。

ということで、当日の模様を。全部書くと長くなるので、本編、Steve Rodgers編、バックステージ編に分けて報告します。

さて、今回のツアーは7月から始まった北米ツアーに続くもので、日本では福岡、名古屋、大阪、東京で公演。
腰が悪いミック・ラルフスは北米ツアーではなんとかステージをこなしたものの、普段は車椅子での生活を余儀なくされていて、来日直前に緊急手術が決定。残念ながら来日を断念してしまいました。でも生命に関わるような状況ではないのが何より。
ミック・ラルフスはいない分は、北米ツアーでもギターを弾いていた元Heartのハワード・リースが穴埋め。
ちなみにHeartの大ヒットBarracudaでギターを弾いていたのもこの人で、このPVでエクスプローラーを弾いているのが若きハワード・リースですね。


18日の福岡から始まったツアー、Twitterなどでファンの様子を検索してみると、いろいろ出てくる(笑
やはり50代〜60代の元ハードロック少年なオヤジが観客の中心層らしいとか、入場待ちしていると加齢臭がするとか、後ろの方の客席だと前方の禿頭が気になるとか。まぁそこの辺りは予想通りなんですが。

セットリストも曲目はこれまた予想通りなんですが、曲順を公演毎に変えているようで、果たして自分が行く日がどんなセットリストになるかも興味深いところでしたね。

26日は開場が18時だけど、その前にBad Co.とSteve用に花束を買いに行ったり、サイン用のペンやBurnin’ SkyのCD(ジャケに空白が多いからw それに家にはLPしかないしw)を買いに行ったり、ドタバタしながら18時過ぎに会場入り。
そして普段は並ばないグッズ販売の列にも並んでSteveのCDとパンフレットを購入して準備完了!


席に着き70年代のハードロックが流れるSEを楽しみながら19時を待つ、待つ、待つw

まずは前座のSteve Rodgers。
ポールの息子で妹のジャスミン共々「Bôa」というバンドで日本のテレビアニメの主題歌にも使われたことがあるらしいんですが、アニメを見ないでそれには全然気づきませんでした。
彼のパフォーマンスについては別途エントリーを書きますが、とにかく20分強で終わってステージは暗転。Bad Co.が出てくるまでドゥービーズの"Listen to The Music" とビートルズの"I Am The Walrus"が流れました。

Walrusが終わるころ、ステージ上に人影が見え、突然 "One, Two, Three, Four!"とカウント。つまり今日の一曲目は "Can't Get Enough"
挨拶がわりの一発というやつですね。

最終日のセットリストは次の通り。

01.Can’t Get Enough
02.Honey Child
03.Run With The Pack
04.Burnin’ Sky
05.Oh! Atlanta
06.Seagull
07.Gone, Gone, Gone
08.Mr. Midnight
09.Twilight Zone (夜明けの刑事)
10.Electricland
11.Feel Like Makin’ ♥
12.Shooting ★
13.Rock and Roll Fantasy (Ticket To Ride〜I Feel Fine)
14.Movin' On
[Encore]
E1-1.Bad Company
E1-2.Be My Friend
[2nd Encore]
E2-1.Ready For Love
[3rd Encore]
E3-1.Stormy Monday

Burnin' Skyは雷のイントロ付き。なんで雷のイントロかというと面白いエピソードがあるんだけど・・・いつか書くw

Oh! Atlantaではサビの”Back to Georgia”のGeorgiaをTokyoと変えて歌ってくれました。
大阪ではOsakaと変えて歌っていたそうなので、ストーンズのHonky Tonk Womanなどと同様のご当地向けソングなんでしょうね。

この辺までは70年代ファンキー・ロックの21世紀バージョンという感じで、オリジナルよりもタイト(特にサイモン・カークのドラム)かつハードロックぽさを強くしてました。もしミックがいたらもう少し粘っこい演奏になったのかもしれません。

Seagullがポール一人の弾き語り。そのままもう少しアコースティックセットを続けるのかと思ったら再びメンバーが出てきてGone, Gone, Goneへ。

続いて新曲だと紹介しての Mr. Midnight。
まさか21世紀になってバドカンの新曲を聴けるとは思わなかったので、とにかく嬉しいw
この曲を含め何曲かはツアマネ兼任(?)の人がギターでサポート。
そして曲自体はブルースベースのロックンロール。考えてみればBad Co.としてこういうあからさまなブルースオリエンテッドな曲を演るのは珍しいかも。そして実はこの新曲がアンコールへの伏線になっていたのですが...

そして次はメンバーをステージに残したまま、ポール一人でTwilight Zone(夜明けの刑事)。70年代の日本のTVドラマで使われた曲です。って、この記事を読んでいる人はみんな知っていると思うけどw

Feel Like Makin' Loveで盛り上げた後は、Shooting Star。色々な意味にも取れるバラードだし人気も高い曲で、サビの部分では何回も客に歌わせる。当然みんな歌えちゃうんですが。

この辺りまで来ると次はあれだな、とだいたい判ってくるんですが、判ってたはずのRock 'n Roll Fantasyが思わぬ展開。
一通り歌い終わったと思ったら、なんとビートルズの”Ticket to Ride”へメドレーで突入!
ハードロック涙の乗車券バドカン版! 何かDrive him madなことでもあったんだろうかw
そしてブレイクを挟みしつこく展開した涙の乗車券がやっと終わるかなというところで、さらにビートルズの"I Feel Fine”続いていく驚愕の展開!
あ〜、今日はもう止まらないんだw

で、最後はMovin’ On。バドカンらしいファンキーなロックンロール。あぁ、こういうのを30年待ってたんだよなぁ。

Movin' Onが終わってメンバーが引っ込んでも、当然アンコールをやると思っているとやはり出てきました。ピアノの前に座って、つまりBad Company。

次で最後だよなぁと思っていたら、案の定、プロモーターのUDO、レコード会社のワーナー、そして関係者みんな、Steve等々に感謝と言ってから・・・”Freeをやるね”
えっ!?
”曲はBe My Friend”
ええっ!?

この日、いや今回のツアー最大のサプライズ!
これまでFreeの曲はやってなかったし、新聞のインタビューでもフリーはやらないと言っていたような気が...

オリジナルはFreeのアルバムHighwayに収録されている曲で、ポール・コゾフの泣きのギターが炸裂する名曲。ライブでも印象深く、Freeの数多い名曲(つまり全部)の中でも個人的にも一般的にも人気の高い曲。
歌詞はけっこうシンプルなラブ・ソングなんですが、今のシチュエーションで古い日本の友人たちや、日本の観客や、今ここにいないボズやミック・ラルフスに対して"Be My Friend to the very end" と歌われるワケで、これで泣かないはずがないじゃないですけ。
聴きながら、Freeのことや自分のことなど思わず胸にきてしまい、もう涙を堪えることができませんでした。今思い出すだけでも目がうるうるしてきます。
そして、この時、泣いていたのは僕たちだけじゃなかった!
サイモン・カークは演奏中にスタッフに汗を拭いてもらったり、水を飲ませてもらうというパフォーマンスをするのですが、彼のブログによると、Be My Friendを演奏中に汗と共に涙も拭いてもらったと。やはり彼らにとっても思い出があり感慨深い曲だったんですね。

実はFreeの魅力って4人の演奏による楽曲そのものもなんですが、時にダブルミーニングを持つ歌詞も素晴らしいんですよ。単純なラブソングのようで、もっと普遍的な意味を持っていたり、あるいはコゾフに対する想いが込められていたり。その辺りが今でもファンがFreeを忘れられない一因なんですけどね。

Be My Friendでオールドファンを泣かせてアンコールも終了。
この時点で21時を回りかけていたので、最後はFreeで締めたかと感慨に耽っていると、しかし、再びステージにメンバーが登場!
すごい、今夜はダブル・アンコールだ!

Ready For Love。もしミックがいれば主役を務めたハズの、Mott The Hoople時代に書かれたこれも名曲。
結構引っ張りながらしっとり決め、最後はスタッフやSteveも出てきて全員で肩を組んで挨拶。
客も、メンバーも終わった〜と思ったんだけど、終わってなかったのが若干一名w

ステージから引っ込みかけたメンバーに、”もう1曲やるぞ!”と促して始まったのがT-ボーン・ウォーカーのオリジナルで、ブルース・ロック・バンドの定番Stormy Monday!
なんと、今夜はトリプル・アンコール!
まだまだ飛ばすポール・ロジャース。しかし、曲が終わった時にはさすがに喉を押さえてもう駄目という仕草。
何度もサプライズが飛び出し、21時20分までトリプル・アンコールの2時間近い演奏。最初の武道館公演に並ぶような伝説的なコンサートになるような気がします。


プレイの方も全員現役バリバリ感で良かったですね。

ポール・ロジャースの元気さは驚異的。体格的にデカくなったので、若い頃より声も出てるし、声そのものの深みもさらに出てきて、いまだ”地球上で一番歌が上手い”ボーカルですね。
とにかく、本気の生ポール・ロジャースを体験できて、これだけでも感激です。
マイク・スタンドを使ったパフォーマンスも顕在。そんなに高く放り上げて大丈夫ですか?! と心配するほどw
考えてみれば、ロッド・スチュワートやロジャー・ダルトリーあるいはロバート・プラントなどとロック・ボーカリストのパフォーマンスの原型を作った人ですからね。どんなパフォーマンスであってもキマッているし格好良い。
別の公演では、投げ上げたスタンドをがっしと受け止め、サイモンと顔を合わせてニカっなんて場面もあったみたいです。光景が眼に浮かぶなぁ。
”キメたぜっ!” なんでしょうけど、この二人は本当に悪ガキ仲間そのまま、まさにBad Company!

サイモンはずいぶんタイトなドラミングだったけど、バッド・カンパニーとしてはああなのかもですね。Freeの頃のエロチックとも言える粘るドラムも時折交えもう最高。もうじきソロ・アルバムも出すようですので、それも期待して待ってます。
あ、その後、楽屋でサイモンの別の姿を知ることになるのですが(笑

ベースのリン・ソレンセンは知らない人だったけど、個人的にはこういうお茶目な人は好き。ハワード・リースが一生懸命リードを弾いてキメている時に、ステージの反対側でライトハンドしたりベースをくるくる回したり(笑
普通のバンドだったら、”なんだよ!? 人がキメてる時に!”となるんですが、メンバー中最年少ということもあり許してもらっているんでしょうかw
そしてベースもだけど、バッキング・ボーカルでの貢献も大。タイプ的にはグレン・ヒューズみたいな人かとw

あとハワード・リース。ミック・ラルフスが来れなくなったことで、突然一人でギターをまかなうことになり大変だったと思いますが、十分その役割を果たしたと思います。
そしてミック・ラルフスでもなければポール・コゾフでもない、”Bad Companyのハワード・リース”なギターだったのがとにかくエラい!
特にBe My Friend。もしかしたら客の多くは、あのコゾフのような泣きのギターを期待したかもしれないのに、ちゃんと自分らしいソロを弾いたのは感心しました。

ミック・ラルフスが来ないとか、演奏時間が短いとか、Freeの曲をやらないとか、いろいろネガティブな事を言う人もいそうですが、そんな些細なことは吹っ飛ばすほどの現役感たっぷりの充実したライブでした。
そして特に最終日は、もう伝説化すること必至の感激ライブでした。

バックステージ・パスを手配してくださった◯◯さん、一緒に行ってくれたHちゃん、直前までTwitterなどで一緒に盛り上がってくれたみなさん、そしてバンドのメンバーにスティーブンに感謝です!


Bad Companyの1st。
1974年発売。
今回のライブでも、このアルバムから5曲(Can't Get Enough, Ready For Love, Bad Company, Movin' On, Seagull)も演奏したほどの傑作。
この頃の情報量の多い演奏、録音はCDじゃなくてLPで聴きたいですね。


Freeの唯一の公式ライブ盤。
1971年発売。
最終日に演奏したBe My Friendのライブバージョンが収録。
昔持ってたLPは全体が封筒型でメンバーの顔写真が切手になってるもの。凄い高価で売れたw
盤の最後は Get Where I Belong というスタジオ録音。コゾフのこと、観客のこと、人生のことがトリプル・ミーニングで歌われる名曲で、個人的にはFreeのベスト。
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