「パブリック・エネミーズ」を観てきたよ


マイケル・マン+ジョニー・デップの「パブリック・エネミーズ(Public Enemies)」を観てきました。

こういうスターシステムどっぷりなハリウッド映画は、観に来る客のレベルがアレでマナーも悪いしストレス溜まるので、そうした客がいないミッドナイトショーで観たり話題が冷めた頃に観るようにしてるんですが、今回は日曜朝8時45分の上映にチャレンジ。日曜日は早起きしないし、前日は忘年会だったし、おまけにサッカーのクラブWカップが延長突入で寝たのが5時。起きられないかも、ダメかもと思ったけどちゃんと上映に間に合いました。
メッシの歴史的ゴールも目撃出来たし、空いてる映画館で映画も観れたし、日曜日は充実した一日でした(笑

さて、この映画は伝説のギャング、ジョン・デリンジャーが題材です。

デリンジャー映画はいっぱいあるけど、これまでのベストは(というかこれしか観てない)ジョン・ミリアスの「デリンジャー(Dillinger)」。
ウォーレン・オーツがデリンジャー、ベン・ジョンソンがメルヴィン・パーヴィス捜査官。他にも我らがハリー・ディーンが壮絶な死に様を見せてくれたり、他にもジェフリー・ルイスやリチャード・ドレフュスなどアメリカン・ニューシネマでお馴染みの面々が出ているけど女優が誰だったかさっぱり憶えていないという(笑
映画館で観たのは一度だけだけど、TVの深夜放送などでは何回か観てるのに。それにしても、あの名作がなぜDVD化されていないのか??
というのはともかく、このいかにもジョン・ミリアスな男っぽい映画に対して、さぁマイケル・マンはそれをどう料理するか?
そこが個人的には本作の見所の一つでした。

題材がジョン・デリンジャーであるので、ストーリーは記録に残されているものにかなり忠実だと思われます。
ジョン・ミリアス版で見たようなシーンもいっぱい出てきます。
たぶん、20世紀アメリカの出来事なので彼らの犯罪に関する詳細な記録が残っているので、史実からあまり逸脱するワケにはいかないのでしょう(むしろタランティーノのようにWW2の史実を無かったことにしちゃう方が例外)。
日本で例えれば・・・ギャラの問題で忠臣蔵の討ち入りを10人で実行したり、演出の都合で阿部定が殺されちゃう方だったりしたらみんな怒るよね(笑

で、マイケル・マンがやったのは、彼流のスタイリッシュな映像でデリンジャーの物語を描き直すこと。
彼の出世作はたぶん「マイアミ・バイス」ということになるんだろうけど、実質的な監督デビュー作は「ザ・キープ」。
ポール・ウィルソンの原作小説を基にした戦争ホラー映画。そこで見せた狭い空間でのアクション、やけに気取った映像が今回も炸裂!
ベビーフェイス・ネルソンを追いつめるパーヴィス捜査官(クリスチャン・ベール)が走るクルマから、トンプソンガンを構えコートの裾をたなびかせて降りるシーンなんか本当に面目躍如の格好良さ。
アクションシーンは全部そんな感じで、ミリアス版の現代の目からすると牧歌的に感じる映像とは異なり、リアルでモダンでスタイリッシュ。
本当に同じ題材を同じようなストーリーで撮っても、監督(と撮影監督)の違いによってこんなにも異なるものになるのかと。

でも、不思議なことに、観終えた後に残る印象、特にジョン・デリンジャーに対する想いはミリアス版もマン版も同じなんですよ。たぶん、それは映像よりも、ジョン・デリンジャーの物語そのものが持つ力なんだと思います。だからこそデリンジャーが伝説の人物として語り継がれているのでしょうが。

多くの優秀なギャング映画あるいはフィルム・ノワールといわれるものは、単なるアクション映画に終わらず、観る人に”愛、憎しみ、アクション、暴力、そして死。要するに、エモーション”を与えるけど、このマイケル・マンの「パブリック・エネミーズ」もそうした映画の系譜に連なる最新の一本です。

えっと、これがジョン・ミリアス版のポスター。
70年代ニューシネマ風なポスターですね。

予告編がYouTubeにアップされていたのでそれも貼っておきます。
「パブリック・エネミーズ」とビックリするほど似ている場面が出てきます。

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