ダーティ・メリー、クレイジー・ラリー

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爆音試写会の二本目は「ダーティ・メリー、クレイジー・ラリー(Dirty Mary, Crazy Larry)」

原題を見ればわかる通り、”ラリー”は競技のラリーではなく、Larryという人名である。

主人公は3人。
ピーター・フォンダ演ずる元レーサー、アダム・ロークが演ずる元メカニック、スーザン・ジョージはビッチ。
犯罪を犯した男二人にメリー(スーザン・ジョージ)が転がり込んできて、ビック・モロー演ずる型破りな保安官の追跡を受けるというのがおおまかなストーリー。
あとロディ・マクドウェルも出てる。

中身は・・・バニシング・ポイントが一流のB級映画とすれば、ダーティ・メリーは普通のB級映画。
テレビ東京で放映されたり、あるいはキー局の深夜に埋め草的に放映される類いの映画。たしか日本でも何回か放映されているハズ。ボクもテレビで観た記憶があるもの。

そんなB級映画だが、カーアクションに関しては超一流(笑
クルマ好きにはたまらない。
逃走に使われるクルマは最初がシボレー・インパラ。次はダッジ・チャージャー。
ぶっ太いエキゾーストノートが唸るうなる。
これは爆音上映でしか味わえないなぁ。本当に目の前にV8フルサイズのチューンされたアメ車がいるかのようだったもの。

走り回るところもお尻を振ったり、コーナーにオーバースピードで突っ込んだり、盛りだくさん。観ていて飽きないです。
またジャッキアップしながらハンドルを切ろうとするので、思わずおいおいと画面に突っ込んだら、予想通りの結末だったり(笑
あるいは追うパトカーからタペット音が聞こえるなぁと思ったらホントにエンジンがブローしたり(笑
このテイストを現代に再現しようと試みたのがタランティーノの「デス・プルーフ」だったりするんですが、さすが本家としての貫禄たっぷり。

中身もね、ロードムービーだし、男2人と女のありがちな組み合わせ、自身もアウトローな保安官とか、面白くなる要素はあるけど、これは敢えてそうした情緒的、メッセージ性を薄めてアクションに徹しているところが潔いです。

ピーター・フォンダは一番格好良かった頃なので、演技さえしなければ最高。でも演技はやっぱり大根だね、この人は。

そんな大根ぶりをみたり、カーアクションばかりに力を入れる監督をみて、たぶんスーザン・ジョージは自分が頑張らなくちゃと思ったのでしょう、すごい熱演。
もともとこの人は色気満開の熟れた肉体と童顔が持ち味なんだけど、この映画ではいかにも西部女らしい味も素っ気も無い肉体とビッチな脳みそを持った女の子を演じてます。素晴しい。

やろうと思えばもっと気取ったアメリカンニューシネマにもなるものを、敢えてバカっぽくB級に徹したことで、普遍的な面白さを獲得できた愛すべきB級映画でした。

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