Anvil! 夢を諦めきれない男たち


映画「Anvil! 夢を諦めきれない男たち」を観てきました。

日本でロック/ヘビメタを聴いてるやつ、バンドをやっているやつは全員観に行こう!

以上


俺は所謂「ヘビメタ」というジャンルは詳しくない。
もっと広く「メタル」なジャンルであればいくらでも熱く語れるのだけど。
「ヘビーメタル」というジャンルであれば、初期Sabbath、Budgie、MotorheadあるいはBOC(ヘビメタという言葉はBOCに由来するらしいが、俺の中ではNYハードロック)とかは好き。もちろんAC/DCは別格(笑
もっと言うと、4枚目までのSabbathのリフでゴリゴリ、ドッスンバタンこそがヘビメタのリファレンスだと思っている。
Judas PriestだとSin After Sinまでなら最高、でもStaind Class以降はちょっと・・・と言えば分かるだろうか。
さらに好みを言えば、Rushはダメ、ScorpionsはダメだしMSGもダメだけどUFOはOK、リッチー期のパープルはダメだけどRainbowはOK、LA GunsはOKだけどLAメタルはダメ。自分でもどういう基準かよく分からなかったがこう書き出してみると、うーむ、バカっぽいのはOKだけど、スカしていたり商売っ気が見えるのはダメってことか!?

まぁそういうことなので、Anvilも最初の4枚までは好き。というか積極的に好き。
ただ申し訳ないが、それ以降のAnvilはなんとなくノーチェックだった。

そんなAnvilのドキュメンタリーということもあるし、何かと前評判の高かったこの映画を深夜の六本木で観たのだけど、初日とはいえ深夜の六本木ヴァージンが満席近くまで埋まっていることに驚いた。しかも普通の映画ファンではない、見ただけでヘビメタファン、ロックファンと分かる人々ばかり。これだけで嬉しくなってしまう。

映画は1984年に日本で開催された”Super Rock '84”で幕を開ける。
この時期はAnvilもキャリアのピーク。
しかしその後の四半世紀はアルバムも鳴かず飛ばず。メンバーもオリジナルはリップスとロブ・ライナーのみ。その二人も故郷カナダのトロント近郊で一般人の生活をしながらいつか再びの夢を胸にバンドを続けている。
久しぶりのヨーロッパツアーに出てみれば、音楽に対する愛と情熱だけはあるものの駄目なマネージャーのせいで悪夢のツアー。
昔のよしみで敏腕プロデューサーと新作を制作し、すったもんだの末に完成するもレコード会社には相手にされず。
しかし、再び日本からツアーのオファーがあり遠路はるばる幕張の”Loud Park 06”に出演すると・・・

いやぁ、日本で始まり日本で終わる。日本のロックファンは世界に胸を張って誇っていいですよ。俺たちはAnvilを見捨てていなかったぞと。

劇中にはAnvilのコアなファン、ファンが過ぎてマネージャーを買って出る者、彼らと一緒に夢を抱く家族、アルバムの制作費を貸してくれる兄弟姉妹(たぶん、これで駄目だったら諦めなさいという最後通告でもあったと思う)などAnvilを支える人々が登場するが、映画の最後で一番のファンが登場する。それが監督のサーシャ・ガバシ。彼は絶頂期Anvilのローディーだったのだ!!

こういう人が監督であったからこそ、ドキュメンタリーとしてバンドに密着し裏も表も愛情をもって描け、音楽とロックとAnvilを通じて人生を描くという、映画と音楽の奇跡のような融合が実現したのだと思う。

普通に付き合ったらエキセントリック過ぎてトゥーマッチだろうリップスだけど、家庭でも良き夫、父親であり、バンドでは妥協をしないリーダーであり、さらにツアー先のフェスで業界の大物(マイケル・シェンカーとか)と会えば一ロックファンに成り果て(笑)、ロック者としてどう大人になり社会と折り合いを付けるかという課題に答えを見せてくれたように思う。
またバンドやってる人間にとって、たぶんビジネスやってる人間にとっても、やり続けることの大切さを教えてくれる。いや言い方が違うな。やり続けたやつが勝者なんだよ。リップスたちにとって、もはや「成功」なんてのはおまけみたいなもので、バンドを続けグレートなサウンドを出し続けたことの方がよほど価値あることなんだから。

レコード制作中のバンド内の諍いと和解、家族との絆、不安を抱えて上がった日本のステージから見た満員の観客。何度か涙腺が緩む場面があるが、実は一番感動したのは上映が終わり館内に明かりが点灯しようとする瞬間。余韻を味わった後に館内から巻き上がる拍手。客も素晴しかったなぁ。

さらに今日は、映画館を出て六本木ヒルズのJ-Wave前を通りかかったら、まるで俺のために選曲してくれたかのようにジョンの”Starting Over”が流れ始めるじゃない。出来過ぎだ。また涙腺が・・・
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