Patti Smith: Dream Of Life at 渋谷シアターN


パティ・スミスのドキュメンタリー映画「パティ・スミス:ドリーム・オブ・ライフ」を渋谷シアターNで観てきた。
実は日本公開が待ちきれず輸入DVDをとっくに買ってしまっているのだが、やはりちゃんと映画館で観ておくべきだと思ったので。
日本での公開は8月末から始まっていたのだが、なかなかタイミングが合わず。どうも個人的には渋谷くんだりまで行くのは気が重いw
なおシアターNでの公開は10月9日まで。

しかし、この映画について書くのはこれで三度目。
最初は1年前に、それから日本公開が決まってから。

写真家のスティーブ・セブリングが10年間パティに密着したドキュメンタリーだが、特に時系列に沿った編集がされているワケではない。
それでも彼女のいろいろな姿を映し出すことでパティの生の姿に迫っていて、レコードやライブなどで知るパティの創作活動の根源が判るものになっている。
パティ・スミスとは何者だったのか? それを知る貴重な資料であることは間違いないと思う。

パティ・スミスがロックの世界にデビューしたのは1975年。
当時から、そして今でも「パンクの女王」的な捉え方をされているが、いわゆるステレオタイプ的なパンクでは全然ない。
ちゃぶ台をひっくり返すような音楽を演ったワケではなく、それまでのロックの延長線上にある音。しかし音の感触、音楽に対するアティチュードがそれまでのメインストリームな音楽やロックとは完全に一線を画していた。
個人的には人生で一番多感な時期にパティ・スミスに巡り会えたことは非常に大きい。彼女のデビューをきっかけにアートの世界がガラっと音を立てて変わり、それがアート以外の分野にも影響を与えて行く場面をリアルタイムに感じることができた世代としては、パティのことはこれからも語り継いで行かなければならないと、一種の責任感すら感じている。
パティのアイドルは、映画にも出てくるが、アルチュール・ランボー、アレン・ギンズバーグ、ウィリアム・バローズ、ウィリアム・ブレイク、ボブ・ディラン。それ以外にはジミ・ヘンドリクス、ブライアン・ジョーンズ、ジム・モリソン、オスカー・ワイルド。
こうしたアウトサイダーたちの正統的な後継者がパティだと言えば、どのような人だと判ってもらえるだろうか。

さてゴシップ的にこの映画を観ると、気になるのがサム・シェパード。
詩人で劇作家で俳優でSSWで80年代アメリカで一番知的でクールな男だったサム・シェパードがすっかり好々爺になってしまい、しかも前歯が欠けそうになってた。
またパティ・スミスバンドのドラマーであるJDドハティー。いい歳してチンピラみたいな格好をしているが、ライブ前の楽屋でメンバーみんなの衣装にせっせとアイロンをかけているではないですか。そういう人だったのか(笑
あとはこれまた幾つになってもロックンローラなレニー・ケイ。いちおうボクに似ている(あ、逆だねw)とも言われる人なので、他人のような気がしない。

二人の子供や両親などパティのプライベートな部分は初めて見たり聞いたりする部分で、今まで全く知らなかったパティが見られてこれも貴重。

しかし、彼女にとって最も重要なのは、映画に出てこない二人の人物。
もちろんそれはロバート・メイプルソールとフレッド”ソニック”スミス。
この二人の影というか影響が映像のかしこに映し出されるところも見所の一つだろうと思う。
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