The Sky Crawlers


押井守の新作「スカイ・クロラ」を観てきた。

特にアニメファンというわけではないが、この人の映画とピクサー物はなるべく観るようにしている。
(あ、子供の付き添いでもアニメをいっぱい観たな。クレヨンしんちゃんがあんなに良くできているとは思わなかった)

予告編くらいしか事前情報を得ないままで、O.S.カードの「エンダーのゲーム」みたいな内容かなぁと考えていたのですが、思い切り違いましたね。

抗うことのできぬ運命に対して立ち向かう人々を描いたとてもセンチメンタルな、良い意味での古典的SF。
SFというジャンルは幅広いけれど、この映画はSFファンなら誰が観ても傑作と感じるでしょう。

また空中戦シーンは3Dで、地上のシーンは2Dで描き分けられているのだけど、空中戦シーンが圧巻。
もしかしたら、これを描きたかったのでこの原作を選んだ? と思われるほど力が入っています。

主人公たちの乗る飛行機はこれをモデルにしたと思われる推進式前翼型戦闘機。
これがドッグファイトを繰り広げるシーンは本当に空を飛んでいるような爽快感。
次に身体にかかるであろうGに備え思わず座っているシートを掴んでいました(笑

えっ、ドッグファイト? いつの話?
そう、戦闘は本気で勝つつもりなら数を揃えての一撃離脱戦法なのに何故か一対一のドッグファイト。
さらに、ホルテン229ではなく震電、爆撃機もB2ではなくYB-35。

さらに、戦闘を行なっているのも武器を供給しているのもPMC(Private Military Company)。
ということは、手段としての戦争ではなく、戦争自体が目的なのだな。
と観ているうちに分かってしまうのが難点か。

それにしても素晴らしいシーンの連続でしたね。
中でも感激したのはフライング・ウィング(全翼機)の撃墜シーン。
そもそもフライング・ウィング登場の時点でSF少年の心をがっちり掴んでるのに、さらにそれを落とすんだから。
ふつう、フライング・ウィングを墜落させようなんて考えませんよ、もったいなくて(笑
少し前に本物のフライング・ウィングが墜落するシーンを全世界の人が目撃したけど、こっちのシーンが描かれたのはその前だもんね。まさに小説は事実よりも真なり。

古典作家としての押井守、ミリタリーマニアとしての押井守。その両方が観られるおいしい映画でした。
このエントリーをはてなブックマークに追加