Trouble in Shangri-La / Stevie Nicks



Stevie Nicksのベスト盤というと数年前にキャリアの集大成ともいえるBoxセットが出てますが、今度はちょっとボリューム的にはライトだけど、中身は濃いベストアルバムが出ましたね。

 これはこれで興味深いベストなんだけど、やはり話題はこの間、1枚しか出てないオリジナルアルバムの方。

 90年代の諸作って正直どれも今一つの出来だったし、顔つきなども覇気がなくなったような感じで、ほぼ終わった人と思っていました。でもいちおうファンとしては未発表テイクがあるからとボックスセットを買い、久しぶりだからとTrouble in Shangri-Laもおつき合いで購入し聴いてみたんですが、はっきり言ってTrouble in Shangri-Laって今までで一番良い部類ですよ。誰も何とも言ってくれないけど最高傑作なんじゃない?




 事前の情報ではシェリル・クロウがプロデュースということだったけど、彼女がプロデュースしたのは全13曲中5曲のみ。残りはスティービーとジョン・シャンクスなどのプロのプロデューサ達。

 シェリル・クロウのプロデュースした曲は、いかにも彼女らしい土臭いグルーブのサウンドで、意外にもこれがスティービーの歳を取って凄みが加わった声に合うんですねぇ。
 もちろんこれまでのスティービーのアルバムみたいなきんきらきんの豪華絢爛サウンドも健在。とにかく今作は曲が良いです。80年代の彼女のアルバムに必ず1曲はあったキメのハードロックはないけれど、曲とサウンドのアベレージがとにかくめちゃくちゃ高いのが今作。そこが「一番良い」と思う所以です。

 あ、面子の方はですね、シェリルがプロデュースした曲はハートブレイカーズ組をメインにフィーチャー。それ以外は打ち込みをメインにワディ・ワクテルなどセッションミュージシャンをスパイスに使ってます。

 さらにこのアルバム、アメリカでもかなり評判が良くてチャート的には初登場いきなり5位。彼女のアルバムとしては過去最高位です。

 ほとんど復活と言ってもよいくらい充実した内容とそれに見合うチャートアクション。とても90年代を寝て過ごした人とは思えません。シェリル・クロウがプロデュースでサラ・マクラクランやディキシー・チックスなどが参加していて、これはズバリ例のリリス・フェアの仕掛人たちによるスティービー・ニックス復活プロジェクトが組まれたのではないかと思われます。考えてみればリリスに参加した女性アーティスト達ってスティービーの全盛期にはちょうどティーンエィジャーで、スティービーのジェンダーを強調した歌詞やサウンドに影響受けているのは間違い無いし。

 実際ジャケット裏にずらずらと並ぶSpecial Thanksを眺めると、実に多くの人のバックアップがあっての復活劇が窺われます。

 やっぱりスティービーって基本的にはお嬢様なので、みんなでよってたかっておだて上げないと実力を発揮できないのかもしれませんね。Mac時代も、 Tuskツアーしか知らないけど、リンジー・バッキンガムやクリスティン・マクビーが唄う曲の時は、知らんぷりしていて楽屋に引っ込んだりしてましたよね。普通なら後ろでタンバリン叩くとかハーモニー付けるものなのに。それが自分の曲の番になるといきなり「今夜の主役は私よ!」とばかりにしゃしゃり出てくるのがなんとも我が儘娘風でスティービーらしいなぁ、でもこういうのが自分の彼女だと大変だろうなぁと思ったものです。
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